■  茶カテキンの抗酸化作用
       Kiyotaka Nakagawaら, J. Agric. Food Chem. 1999; 47: 3697-3973
 

方 法
対象: 23〜41歳の健康な男性 18名  
摂取量:カテキン 254mg(エピガロカテキンガレート(EGCg)82mg)  
カテキン摂取前および摂取後の血中EGCg、PCOOH(Phosphatidylcholine hydroperoxide)濃度を測定  
   
摂取した茶カテキン 254mg  
エピガロカテキンガレート(EGCg) 82 mg  
エピカテキンガレート 38 mg  
ガロカテキンガレート 37 mg  
エピカテキン 33 mg  
エピガロカテキン 27 mg  
ガロカテキン 26 mg  
カテキン 11 mg  

 

結 果
in vivo  
血漿EGCg濃度は、摂取前 0だったのが、摂取後は267±126 pmol EGCg/mL血漿に上昇した。  
血漿PCOOH は、摂取前 73.7±32.4 pmol/mL から摂取後 44.6±8.9pmol/mLまで減少した。  
EGCgの変化とPCOOH変化との間には逆相関関係がみられた(r=0.52)。  
   
in vitro  
コントロール群: カテキン非含有血漿  
カテキン高濃度群: 血漿カテキン濃度 463±112pmol/mL(315〜579pmol/mL、n=18)  
   
血漿過酸化物質の変化  

 

コントロール群
カテキン高濃度群
CuSO4による酸化後
CuSO4による酸化後
PCOOH pmol/mL
111±40
154%増加
46±10
106%増加(コントロールの69%)
TBARS nmol of MDA
4.32±0.10
272%増加
4.13±0.15
196%増加(コントロールの72%)

 

 

結 論
in vitro試験では、CuSO4誘導による酸化において、カテキン高含有の血漿ではPCOOHとTBARSの産生が抑制された。 アスコルビン酸やトコフェロール、カロテノイドなどの抗酸化物質とEGCgとの相乗効果についても研究が期待される。
また、12時間の絶食後、それぞれにEGCg246mgを単回投与し、血漿EGCg値を測定した実験では、血漿EGCg濃度は1〜3時間後にピークに達し、反対に血漿PCOOHは1〜6時間で急速に減少した。
これらの結果から、緑茶摂取はヒト血漿における抗酸化能を増強させることが示唆された。 抗酸化栄養素としての茶カテキン摂取は心血管系疾患リスクを低減させる一つの方法として推奨される。

 

 

 
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