フリーラジカルとは何ですか?
  不対電子をもつ原子または分子をフリーラジカルといいます
中学で習った化学の授業を思い出してください。 物質の最小の構成素を原子、物質の化学特性を失わずに分割できる最小の構成素を分子と呼びます。原子の中心には原子核があり、原子核の周囲には電子が2個ずつ、一定の軌道で収容されています。 しかし電子が奇数しかない場合、一番外側の軌道には1個の電子しか収容されません。
このような不対電子をもつ原子(分子)をフリーラジカルといいます。
たとえば塩素原子は、17個の電子が9つの軌道に収容されていますが、一番外側の軌道には電子が一つしかありません。 もともと電子は軌道で対になって安定するので、ほかから電子を1個奪うか、あるいは自分の電子を1個与えて、安定化しようとする性質があります。
このためにフリーラジカルは非常に反応性が強く、体の細胞膜や組織を構成する脂質やたんぱく質を攻撃するため、さまざまな病気や老化の原因になっているといわれます。
  活性酸素もフリーラジカルと同様の毒性があります
フリーラジカルと強い関連をもつものとして、活性酸素がクローズアップされています。 活性酸素とは高い反応性をもつ酸素由来分子のことで、スーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素などがあります。
スーパーオキシドとヒドロキシルラジカルは、それ自体が不対電子を持つフリーラジカルです。 過酸化水素と一重項酸素は、フリーラジカルではありませんが、やはり反応性が高く、フリーラジカルの生成を促す危険なものです。
  連鎖反応でダメージが加速していくのがやっかいです
生体膜には、フリーラジカルや活性酸素によって攻撃されやすい不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。酸素系のラジカルから脂質のフリーラジカルが発生し、膜の脂質層にラジカルの連鎖反応をおこすのではないかと考えられています。
ネズミにストレスを与える実験では、ビタミンCの生合成量は、2〜3倍から10倍弱にまで増えるという結果が出ています。 強いストレスを与えるほど、生合成量は増します。
体内でビタミンCを合成できない私達人間としては、毎日ビタミンCの充分な摂取を心がけ、ストレスに負けない体をつくりたいものです。
 

【フリーラジカルは電子を奪って安定化しようとする】

一般的にフリーラジカルは不安定なため、他の原子や分子から電子を奪います。 電子を取ることを酸化する、もらうことを還元されるといいます。 電子を奪われ、不対電子をもった物質は、フリーラジカルになり、次々と酸化反応を繰り返していきます。 しかし、そこに抗酸化剤があると、酸化の連鎖反応が止められます。 抗酸化剤の多くは、電子をフリーラジカルに渡し、自分がフリーラジカルに変わっても、しばらくそのままでいて、すぐにほかから電子を奪うことがないからです。

  【フリーラジカルによる細胞膜の破壊】
  細胞膜破壊の害は次のような病気になって現れる。
  ・赤血球の膜破壊→ 貧血
  ・肝細胞破壊 → 肝障害
  ・胃粘膜破壊 → 胃潰瘍

 
 
 
 

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